2011年11月16日水曜日

スキルを考える② ~期待値とは?~

前回の続き。
スキルを考える上では、

期待値の上ではAスキルのLv10はBスキルLv5 × 2つよりも強い

みたいな話を目にしますが。
そもそもに「期待値」って何なの? というお話を。
よく「期待値」の例として挙げられるのは、サイコロの目の期待値の話だろう。
サイコロは1~6までの数字がそれぞれ1/6ずつの確率で出る(事になっている)
では、サイコロの目の期待値は・・・

 1 × (1/6) + 2× (1/6) + 3× (1/6) + 4× (1/6) + 5× (1/6) + 6× (1/6) = 3.5

と計算される。。
・・・で、この出てきた「3.5」って何なのさ?
よく言われるのは、この3.5というのは「見込みの」出る目なのさ、という説明である。
サイコロを振れば、「平均的」には3.5の目が出る訳ですね。

・・・これだけで終わってしまうのもアレなのでもう少し噛み砕いて考えます。

前回、コインを10回投げても必ず5回表が出る訳ではない、という話をした。
でも、そのコインを投げる回数を増やせば増やすほど、確率1/2に近付いていく、と。

この話を更に飛躍させていくと・・・コインを無限回だけ投げたらどうなるの? となる訳ですよ。
理論上・・・確率1/2ぴったりになるのではないか?
コインを投げた回数のピッタリ半分の回数で表が出るのではないか?
誰も無限回だけコインを投げる事は出来ないけれど。多分それは真実で。

しかし・・・期待値は、実はその無限の壁を越えたある意味完璧な手段なのだ。

サイコロを無限回に近くただただ振り続けたとする。
すると、前回の話から大体1~6の目が1/6に限りなく近い確率で出て来る。
その無限回とやらをX回とする。Xはものすごく大きい数である。
※数学的にはもうこの時点でおかしいですがね。
イメージしやすくするためなので・・・目をつぶってやって下さい^^;

すると・・・1~6の目は、それぞれピッタリ X × (1/6) = X / 6 回だけ出る訳ですね。
ここで、X回(無限回)の出た値の平均を取る。

1 が X / 6 回、2がX / 6 回・・・となるので、

1 × ( X / 6 ) + 2 × ( X / 6 ) + 3 × ( X / 6 ) + 4 × ( X / 6 ) + 5 × ( X / 6 ) + 6 × ( X / 6 )
これをX回で割れば平均が出て来る。

・・・というのを式を整理してみれば。
なんと、上の

1 × (1/6) + 2× (1/6) + 3× (1/6) + 4× (1/6) + 5× (1/6) + 6× (1/6)

になるのだ。

期待値は、無限回だけその事象を繰り返して得られた値の平均である


これが、「見込みの」とか「平均的に」の言外に含まれていたニュアンス。

確率って不思議ですよねぇ。
実際に無限回の試行を繰り返すことはできない。
だけど、その無限回の試行をやった結果の平均値は計算で求められてしまうのですよ。

だからこそ。期待値は色々なモノを評価する絶対的な指標になりえる。

だが。期待値で全て判断、イコール全て妥当な判断になるかと言えば疑問な所もある。
期待値には落とし穴もあるのだ。
例えば。以下のような3種類の宝くじが売っていたとする。どれが買いたいですか?
どのくじも1本500円とする。

○宝くじA くじの総数 100本

1等 1本 1万
2等 5本 3千円
3等 10本 千円
4等 30本 百円

期待値は・・・
10000 × ( 1 / 100 ) + 3000 × ( 5 / 100 ) + 1000× ( 10 / 100 ) + 100 × ( 30 / 100 )
= 380(円)

○宝くじB くじの総数 100本

1等 1本 3万
2等 80本 百円

期待値は・・・
30000 × ( 1 / 100 ) + 100 × ( 80 / 100 ) = 380(円)

○宝くじC くじの総数 100本
1等 100本 380円

期待値は・・・
380 × ( 100 / 100 ) = 380(円)

期待値的には、全て500円で買った1本のくじが「見込み」380円になる訳だ。
3つとも損には変わりないが(笑)
ぶっちゃけ宝くじなんて夢を買っている部分もある。
120円は夢投資。誰もが通る道である。
あえて買うとしたら・・・?

Cを買う人はひねくれずに120円どこかの恵まれない国へ寄付するべきだろう。
AとBの実質2択だが・・・私的には配金バランスのとれたAにするかな。好みであろう。

とまぁ、期待値的にどれを買っても同じだけれど、
中身には随分と違いがある場合もあるよ、というのを頭の片隅に置いておかなければならない。

IXAの話をすれば。
発動率が5%で、上昇率が15%のスキルと、
発動率が15%で、上昇率が5%のスキルの期待値は全く同じである。

でも。この2つのスキルの強さには確固とした差がある。
私自身、武将シミュを作っている時にある方に指摘された事だったのだが。

スキルの上昇率はスキルのLvを10にすればもうそれ以上は何をやっても上げられない。
だが、発動率は違う。
部隊の兵法補正は僅かだが各武将の兵法値を上げれば上げるほど発動率も上がるのだ。

よって、スキルで重視するのは上昇率>発動率、とするべきなのだ。
だから。上の2つのスキルではたとえ期待値が同じでも前者のスキルの方が強い、と言える。
こういう部分を含めた数値的な指標、というのは・・・難しいですな^^;

2 件のコメント:

  1. 大ふへん者の扱いが難しい^^;

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  2. 定量的な評価、ってのは・・・悩んでます^^;

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